趣味日記

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天使騒々 RE-BOOT! 感想

 ゆずソフト最新作「天使騒々 RE-BOOT!」通称……通称なんだ? フェラ神みたいなおもしれーやつあったっけ? まあ兎に角、発売から10日ほど経ちました。そして前作の発売から3年が経っています。マジ?

 皆さん、お元気でしたか? 僕は元気です。

 無事、アフターまで含めて全員クリアしましたので、今回も感想記事書いていきたいと思います。例によって途中、注意書き挟んだ上でネタバレしていきますので、未プレイ勢は前半を読んだ後にプレイしてきてください。後悔させません。(誰が?)

 因みに評価基準とかは、前作「喫茶ステラと死神の蝶」感想記事と大体同じです。

 

喫茶ステラと死神の蝶感想 - 趣味日記

 

 3年前の記事ですがそっちもよろしく……マジで良い作品なのでそっちのプレイもよろしくな! まあどっちから始めてもいいです、前作がゆずソフトの最高傑作だと思ってたんですが、今作も並んできました。越えたかは諸説です(流石に前作に思い出補正入りまくってるため比べられない)。

 

【総評】

キャラ 10/10

  実は今回、発売前の時点で好き! 推し!! ってなってたキャラがいませんでした。強いて言えば、声優補正込みで天音と風実花さんだけど……前作のナツメ愛依が強すぎたのでその記憶に引きずられてたんですよねー。リドジョでは七海、千恋では茉子と明確な推しが存在してたので、新作への期待は大いにしつつも若干の不安を抱えていたんです。

 が、流石ゆずソフト! 外れねえ!! 皆さん今後も不安に思うことは無いですよ、ゆずソフトが外れキャラ掴ませてくること無いですから! 共通の中盤くらいには、もう全キャラ推しになってました。みんな個性がはっきりしてて、それでいて鬱陶しいほどには強すぎない。それでいて専用√でさらに良さが出てくるという、最高でした。

 今回はほぼ順位付けも意味無いですね、マジでみんな好きです。あーうーん、天音と、来海は若干他面子よりも印象強いかな……? いやでもオリエも可愛かったし、風実花さんも最高だしかぐ耶も共通個別どっちも……乃愛の噛めば噛むほど的な良さも……マジでみんな好き(強調)。

 

ストーリー 9/10

 言うなればキャラゲーの最高峰」「THE・良作」「いつものゆず、いつも以上のゆず」「100点を取りに行ってちゃんと100点を取った作品」って感じ。

 ファンタジーと学園要素の良いとこどりしてるいつものゆずです。気を衒いすぎてないない流石のゆずです。歴史に残る神作は作らないけどお値段以上の満足感を保証する最高のゆずです。褒めてます。

 とはいえ、個人的には今まで以上の完成度に感じました。これは前作「喫茶ステラと死神の蝶」の頃からですが、複数キャラを攻略できるというエロゲの長所を引き出しまくっています。それぞれのキャラの√で、そのヒロインにとって重要な問題をそれぞれ解決していって、全部クリアすると全ての伏線が回収できた状態になる。これによって一つ一つのお話がクドくないんですよね。その分、それぞれの√で「解決してない問題」が発生するんですが、それはそれでそういう現実って感じもしてまた良かったり。個人的には全部解決のグランドルートがあるのも好きですが、あれは正史が確定しちゃうからな……なあD.C.~ダ・カーポ~……

 それぞれのストーリーもとても面白く、前作以上でした。全部面白いんですよね、微妙だなって√が一つもなかった。人によって好みの差はあるでしょうがその範囲です。

 マジで全部良かったです。良すぎて推しが絞れないので困っています。

 

 私の攻略順としては、

  天音→風実花→かぐ耶→オリエ→来海→乃愛

 

 推奨攻略順も一緒です。

 上でちらっと書いてますが、今作は特に各√でしか明かされない秘密がかなり多く、それぞれの秘密を知っててやるのと知らないで進めるので結構感じ方が変わると思うんですよね。乃愛ラストは絶対正しいと思ってます。天音は最後に持っていきたい気持ちも理解できますが、色んな秘密を知らない状況でやってよかったので最初をおすすめします。

 あと、ストーリー展開上、来海はかぐ耶の後にやった方がいいです。かぐ耶√の感想が変わります、多分。

[5/10追記]

 推奨攻略順、もう一つのパターンとして

かぐ耶→オリエ(→風実花)→来海→乃愛→天音

 もアリかと思います。天音√本当に最高ですし、「終わり方」としても相応しいので。

 ただ絶妙に風実花さん攻略するタイミングが無くなるというか、ぶっちゃけ天音の後にやっとかないとどのタイミングでも微妙になっちゃう人でもあるんですよね。多分ここしかないです。

 何も知らないで天音√やるのも最高でしたが、全ての終わりを天音と迎えるのもまたよいかもしれません。

 

CG・Hシーン 9/10

 詳しくはネタバレページで、というくらい語りたいことが多いのですが、前作以上の満足度です。10点でもいいです。大体10点です。でも多分次の作品はこれを越えてくるので満点はつけないでおきます

 

 一言でいうと「面白かった」です。マジで買って損はしないです。買って、プレイください。そしてみんなで次回作を首を長くして待ちましょう。以上。

 

 

 

 語り足りないのでここから先はネタバレしながらキャラ別感想いきまーす。読んだだけでストーリー全理解にはならないと思いますが、一応未プレイ勢はここでブラウザバック推奨です。というかマジで面白いんでプレイしてきてください。では。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 未プレイ勢、閉じた? 大丈夫?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 マジで閉じてよ? そして是非プレイしてくれよ? 上の点数で最高さは伝わってるだろ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 攻略順に行きます。

 

【谷風天音】

キャラクター 10/10

 THE・妹。好き。

 いや、なんだろうね、ほんとに妹なんだよね。特に共通なんかでは、ガチの妹というか、いや何言ってるんだろうその、エロゲの妹キャラっぽさが薄いというか、仲がいい家族だったらほんとにこの距離感なんだろうなーってのをすごい感じるというか。絶対この子兄のこと異性として意識してないよねって思ってたよ、俺は。俺の目は節穴だってそれ3,000回言われてるから

 まあそんなわけで、さっそくネタバレってますが、そうなんだよね。あれでお兄ちゃん大好きだったのはマジ? って感じだよね。これはマジで最初に攻略してよかった、共通とか他√で出てくるたびに「でも実はこの子お兄ちゃん大好きだもんなあ……」って思いながらプレイできるんだもん最高か? その上で強めな「家族」の空気っていう、なんかもう、すっごい……(語彙力)。

 プレイ前の印象ではウザ6妹3可愛さ1くらいのキャラかと思ってたんですが、大体ウザ2妹4可愛さ4くらいでした。絶妙。というかあの、この流れで言うんですけど夏和小さん今作もご出演ありがとうございます!!!!!!!!!! マジで素晴らしい。マジで、素晴らしい(大切なことなので二回言った)。

 特に序盤は、台詞自体は結構ウザさ強めなとこもあったりするんですけど、声が絶妙なので可愛い範囲にマイルドになっているんですよね。序盤で好感度下がらなかったお陰で最後まで好きなキャラであれたんだよなあ、ってのは滅茶苦茶思ってます。

 

ストーリー 12/10

 私は基本ハッピーエンドしか認めない派というか、みんな幸せになって終わってほしいんですけど……そして天音√は厳密にはハッピーエンドではないんですけど。すっごい好きな話でしたね。

 大きく見れば何一つ解決していない、いや、二人の間でだけは解決していて、それ以外のすべてが問題のままみたいな感じなんだけど。それでもと、全部は解決しないことを受け入れたうえで、それでも二人で幸せを目指すんだっていう。兄妹ものとしての到達点を見せられた気がします。

 それでいて、葛藤だったり、他の大事な人たちへの罪悪感とか、受け入れられないかもしれない恐怖とか、駆け落ちちゃった方がいいんじゃないかとか色々考えて……異世界モノの上手い使い方でしたね。一回駆け落ちしてみてやっぱ駄目だわ! ってなるのは異世界行けないと難しいからなあ。現実でやっちゃうと周りの人たちに関係性バレずにやめるのは難しいので。

 話自体はあくまで兄妹の恋愛がメイン、異世界の問題とかはそこまでメインに出してこないのがまた良かった。話がごちゃごちゃせず集中できるし。世界の根幹みたいなテーマを、特定のキャラの√でほぼ無視できるってのは、全員攻略する前提のエロゲだからこそできる強みですよね。

 ヴィズもいいキャラというか、キャラも設定もしっかりとしていながら全体としては本筋の邪魔をしない素晴らしい立ち位置で。異世界要素薄いストーリーなのにそんな気がしないのは彼女のお陰ですね。天音との関係性もいい感じに落ち着いてて……うん。彼女の最後も含めてハッピーエンドではないのに読み終えたときの後味がすごく良いっていう。まあスレイに比べたら遥かに幸せな終わりだったんですけど……

 何も解決はしていない、けどきっと、二人はちゃんと幸せに生きていけるんだろうなと思えるいいストーリーでした。アフターでの天音のアホっぷりも好きです。

 

CG・Hシーン 10/10

 今作のオナニー枠です。まーただあそこから結構怒涛の展開だったのは意外というか、谷風兄が気付くまでもうちょっと引っ張るかと思ったけど。開き直ってからの妹の攻勢も良き。

 シーンはまあ好みってくらいだけどCGはそれ以上、というか最高! ってレベルでしたね。特に好みなのは水着とアフター。

 あとなんか喘ぎ声(文章?)が特徴的というか、言っちゃえばエロ同人みたいな声を上げる子なんですけど、これが魅力的に聞こえるのは8割声優さんの力量だと思うわ。残り2割はだらしなさとか下品さも魅力に含めれる天音のキャラクター性ですかね。

 

 

百里 風実花】

 礼によっていいCGが無え。


キャラクター 8/10
 いいキャラでした。好き。
 天音√でいい味出してたので2番目に攻略したんですけど、とってもいい子でした。終わり。……いやまあサブヒロイン枠だからストーリーも短めだし、あんまり語れることも無いんですよね。

 清楚系年上枠・活発系女子枠・幼馴染枠を一手に引き受けながらどれも濃すぎず、うだうだ悩むシーンがありながらも根は感情一直線系、普段のお姉さんっぽさと幼馴染・恋人としての甘えっぷりという、ほんとに色んなキャラクターが詰め込まれていながら綺麗な魅力に纏まってるっていう不思議なキャラでした。それ故ぶっちゃけ共通√の中ではキャラクター像みたいなのが掴めてなかったんですけど、攻略後は好きになってたという。やっぱり上手く言語化はできないんですけどね……。

 

ストーリー 7/10

 上述の通り短いし、世界観にも殆ど触れない話ながらも、キャラシナリオとしてはとてもいい出来でした。関係性に悩みながらも交流を重ねられたのも風実花さんならではで……貶してるわけじゃなく、褒め言葉として、それぞれの要素が薄いんですよ。先生と生徒、前世の関係、幼馴染の年の差。それぞれに悩むのが完全にサブというか、風実花さんの魅力を語るぜ! っていう本筋を盛り上げるエッセンスに徹してるというか。読みやすいしキャラを好きになれるしいいストーリーでした。どうでもいいけど前世の縁強すぎませんか? 大体元・身内じゃんね。

 

CG・Hシーン 10/10

 最初のフェラシーン、天才では?

 ”アレ”で目隠してるの、完全に「そういう性癖」の人が開発にいるでしょ。分かるよ、いいよな。純愛ゲーであの絵ってのがまたいいよな、分かるよ。

 全部好きです。というかほんと、キャラの「多面性」がよく生きてます。先生モードのシーンに、可愛らしい水着&年上としてのリードっていう2面性のシーン、告白後の翻弄され気味なシーンに、アフターの積極的なシーンに。色んな面が全部風実花の魅力なんだ! っていう、”良さ”全開で最高でしたね。この項目では俺的今作トップ、だと思って途中まで書いてたんですけど来海が良すぎたのでトップタイです。

 

 

【星河かぐ耶】

キャラクター 8/10

 お姉ちゃんキャラつながりで風実花さんの後にやったんですけど、共通√内では大分お姉ちゃんしてたのに攻略始めてからはあんまりお姉ちゃんくなかったのが面白い子でした。

 とはいえどっちも悪くないというか、共通のからかい上手のお姉ちゃんキャラと、個別√での李空大好き正統派彼女キャラの二度美味しい、みたいな感じ。というか他のキャラもでしたけど、今作は結構個別ルートに入ってからじゃないと分からないキャラの魅力が多いなという印象。恋人になってからならよくある話ですが、かぐ耶の「縁を求めている」関連の話とかね。初っ端あれを放り込まれたことで意識を変えて攻略できたかなという感じがします。

 あ、あとカウントアップでエロ担当とか言ってたけど、それに相応しいエロさがありましたね。というかストーリーも7割そんな感じ。

 

ストーリー 8/10

 想像してた100倍イチャついてたし。

 あと想像してた100倍あっさり問題解決した。

 いやまあ、キャラゲーのストーリーとしてはとても良かったと思います。かぐ耶のストーリーは結構他のキャラの描写も入って、特に、付き合ってることを知ったときとかの天音と来海の複雑さをはっきり描写してくれたのが好きです。問題解決もまあアッサリはしてたんだけど、みんなの力を借りて感もあって……いや、言うほど無かったか……兎も角結構な満足感がありました。

 やった順番もあって、天音√との違いもまた良かったかな。立場や関係性から、今後将来の為にどうしていけばいいのか? みたいな話で、こちらはしっかりと今後が示されていて。まあ世界が違ったり、かぐ耶側が結構な権力者だったりしたからこそできた道筋ではありますが、正統派を見れたかなと。そうそう、こういうのでいいんだよ! っていう爽快感と同時に、だからこそ天音√の終わり方もまたいいんだよなと思えて……あの話好きすぎるな俺……。

 風実花さんに比べて尺があったのも重なって後半の砂糖吐きそうなくらいの甘々にやられそうになったりはしたけど、概ね好きでした。うん。

 

CG・Hシーン 9/10

  エロ担当なだけありますね。共通√でも散々李空がやられてたグラマラスボディの良さがでまくってました。ゆずのがっつり巨乳キャラでは歴代で一番好きかもしれん。

 CGも全部好きですがシーン自体が好きなのが多くて、というかかぐ耶のキャラ・ストーリー展開とぴったり合ったものが多かったなって印象です。一番好きなのは寝間着のシーンかな? あの構図好きなんですよね……スイセイギンカって知ってます? 青香とのエッチをめちゃめちゃ思い出したよ俺は。

 水着のブチ込み方が若干強引でしたが、まあ無理はない範囲。シーン自体は最の高でしたしね。

 

 

【高楯オリエ】

 公式ページのオリエなんかみんな表情薄いんだけどぶっちゃけ想像の5倍は感情豊かでした。

 

キャラクター 9/10

 共通だと可愛いとこもある姫様(かぐ耶)信者って印象。暫くそんな感じだったんですが、かぐ耶√でその可愛さが結構強めに見えてやられちゃったんで次に攻略しました。

 信者、と書きはしたんですけど、共通の時からそこまでその……ヤバい感じはしなくて。よくいるじゃないですか、崇拝型キャラっていうか。恋姫の桂花で通じてくれます? あの子も好きだけど兎に角、あそこまで過激な感じじゃなかったので、最初から好印象ではありましたね。姫様ぁ~……(困惑)も好き。

 

ストーリー 9/10

 かぐ耶の後に読んだのもあってあっさり感がありましたが、ちょうど良かったです。多分読む順番によっては十分以上に甘々だし、かぐ耶の後ならそれはそれで砂糖吐かなくて済むからまた良い

 こちらは異世界ならではの問題をあまり大きく取り上げず、恋愛下手同士(童貞主人公も含む)のゆっくり進む恋愛モノって感じに穏やかでした。ぶっちゃけその一言で全部を表せちゃうストーリーなんですけど、過程の描写が丁寧でこっちまで照れくさくなっちゃうくらいです。

 

CG・Hシーン 8/10

 異世界枠のキャラなのに普段着とかの印象が強いんですけどこれはこれでよき。まあ異世界着も割と普通だからね。構図とか見ても巨乳枠ではある筈なんですが、かぐ耶と来海のインパクト強いのもあってそれより可愛いな~! って印象が強かったり。うーん、ストーリーのとこで砂糖吐かないって書いたけど、すっごいイチャイチャしてた印象というか……というかかぐ耶のシーンが全部過激だから相対的にってだけなんだよな……

 個人的には、寝間着で最後までのシーンもあったら嬉しかったかなー。無かったよね? まあ、それくらいです。めっちゃ好きでした。もうずっと、全キャラこう言ってますが嘘じゃないんです。

 

 

【小雲雀来海】

キャラクター 10/10

 今作唯一、共通と個別で印象が変わらなかったキャラであり、変わらない印象のままどんどん好きになっていったすごいキャラでした。

 発売前の印象とは、まあ……思ったよりギャルじゃないよね。いや、もしかしてこれがギャルなのか? 令和のギャルのことを俺たちは何も知らない……。

 頭がいいけど楽しいこと重視、行動力もある。自分の強みを生かすことに躊躇いがあるわけでもないし、納得のいくまで調べて、考えて……なんというか風実花さんの上位互換では? エロ知識も豊富で、かぐ耶とはまた違った積極的アプローチもよきでした。

 画像は公式のサンプルなのでこれしかなかったですが、個人的には口開けたたはーっ! って感じの笑顔が印象に残ってます。さっぱり陽キャ(可愛い)。天音との関係も双方の良さが出てて好きです。

 

ストーリー 10/10

 天音とかぐ耶の中間策、オリエ√にメインヒロイン要素足した感じ。超大雑把に言えばこんな感じでしょうか。

 まあ李空との関係については、それお試しじゃねーけどな! って10回は言いましたけどね。もう初っ端からやる気満々でしたし。今作ゆず作品にしてはヒロインの貞操観念ガバガバでは? なんとなくですが、来海と李空が一番こう……信頼感ってのが感じられるカップルで、ちょっと独特な良さがありました。

 異世界関連の話でもそうだったかな、と。李空の長所と来海の長所が上手くかけ合わさってて、この二人だからこそっていうのがよく出た解決だったと思います。いやほんと、天音よりも異世界展開を上手く生かしてて、かぐ耶よりも関係を近づけてく描写が丁寧で、めっちゃ丁度いい感じというか? よくもまあ一つの作品でこうも違うストーリーで魅せてくるなと感心しきりでした。

 

CG・Hシーン 10/10

 アツい伏線回収だったなあ……。あと心の声が聞こえちゃうのは鉄板ですよね。マジで分かってるなあスタッフ! 前シーンいいんですけどあの1回にはさらに詰め込まれてましたね。

 テレパシーをエッチな魔法と断言しちゃう来海さんマジパネェっす。他ヒロインがどちらかというと「愛し合う」行為、って感じである中で、この二人は純粋に楽しんでいる感が出ていてそれも純愛キャラゲーとしては独特だったかな。

 全部のシーンが良かったです。構図は若干……同じグラマラス枠のかぐ耶・オリエと比べて身体全体が見えにくいのが残念でしたがそれでも満点です。シーンとキャラとエロさのベストマッチでした。

 

 

【白雪乃愛】

キャラクター 8/10

 最後にやってよかったなあ。ストーリーだけでなく、キャラクター的にもそうでした。

 人形みたいな美しいロリキャラ、真面目、但し普段は怠惰気味。乃愛の魅力を他√でしっかり教え込まれたうえで、満を持して彼女の内面に踏み込んでいく感じで楽しめました。個別√の割と序盤から衝撃の事実が明かされていくので、本当に他√からやって彼女の人となりを知っておいてほしい。

 乃愛に関してはキャラのすべてがネタバレの塊なので語りにくいんですが……エンディングで、「黒」で楽しそうにしている姿が見れて嬉しいなあって……そんな感じです。やればわかります。

 

ストーリー 9/10

 まあエロゲユーザーの皆様におかれましてはよくご存じのことかと思いますがこの子の個別だけ実質グランド√なんですよね。このストーリーでしか明かされない秘密や黒幕がわんさか出てきてお祭り騒ぎ。いや、お祭り騒ぎと言いながら……全体で見るとなんというか、しっとりとした、読み心地の良いストーリーでした。

 というか今作もまた、今までの作品に触れてると嬉しい小ネタみたいな絵がちょくちょく出てくるんですが。がっつり行きますからね。いいのか、それで。いいのか、名義違うのに!?

 天音√を最初にやっていたお陰で半分忘れかけていたアイツにも再会できたり、共通での事件の意外な真相と、怒涛の伏線回収もあってマジで楽しめましたね。マジで気付いてなかったよ俺。

 

CG・Hシーン 6/10

 俺、もしかするとロリコンじゃないのかもしれない。前作で言うほど涼音さんのシーン評価高くなかったのもロリコンじゃなかったからでは!? というかこのゲーム、他が全員スタイル良いせいで最後にやったロリキャラで微妙に興奮不足したというか……最後にやるにあたっての唯一の弊害ですね。

 とはいえシーン自体はとてもよく、アフター含めシチュは好物でした。……いや、でもよく考えたらさ、「大胆な下着」あるじゃん? あれ要は正解を選ぶだけじゃ堪能できないってことじゃん? それはちょっとさあ……どうせ全CG回収するんだからいいけどさあ。多分李空くんはユーザーの見れないところで堪能してるしなあ。

 あとそうだな、「黒」ではやらないんですか? 「白」の時と同じ構図でもう一シーン書いてくれてもよかったんですよ? エモの塊だったと思うんですけどねえ。まあアフターでの展開もあってよかったなって感じなんで入れるところ無かったんでしょうが。

 

 

【その他】

 今作唯一にして最大のマイナスポイントは白石チカちゃんを攻略できないことです。マジでこれは良くないです、この一つの理由だけでゆずソフトに反旗を翻すレベルです(?)。もう仕方ないので責任を取って初のFD作成、新規√追加をお願いします。……って言いたくなるくらい好き。

・白石チカ

 いやまあ、チカちゃんの可愛さが最もよく出る来海√が滅茶苦茶よくて、来海をどんどん好きになってるのでプレイ中はあんまり気にならないんですけど。終わってからのこう、物足りなさというか、消化不良感と言うか……とあるアフターで俺は衝撃を受けました。 裸絵あるならさあ……さあ!!!(号泣)

 SNS見ててもみんな彩ちゃんの話ばっかしてるんですけどチカちゃんガチ勢ってもしかして俺だけ? じゃあ嫁に貰っていい? 一緒に子供を可愛がりまくりたい。

 

・三国彩里

 三国ちゃんはね、絶対これ駄目だなって思って一回目はちゃんとパス出来た俺を褒めてもいいと思うんですよ。超可愛いです。後から回収した感想としては、うん、ああいう最期もいいかなって思いました。でもその後彩ちゃんが不幸になりそうだからなあ……やっぱ駄目か。実質催眠モノだしゆずで夢見て良い展開ではなかったぜ。
 彼女に悪いところは無いのですが、天音√で彼女が出てくるたびに「あれやっぱ実は黒幕だったりする?」と思っちゃって駄目だったってのはありました。いや、李空と話すとき若干おどおどした感じなのが、余計にさ……えっもしかして裏、あります? ってね。先輩後輩だから仕方ないんだけどさ。実際終盤で重要な役目は果たしてるので、こう……いや彼女は常に周りに振り回されてただけなんだけどね……。

 

・カウントダウン動画

 カウントダウンムービーの前日の動画めっちゃ良かったよね! マジで過去作やり直したくなりました。と、いうか自分がやってるのって「DRACU-RIOT!」以降なので実は夏野こおりさんのお世話になり切れていないとこがあったりして。オリエ最高だったのでやりたいですね。

 

 と、そんな感じで。正直まだまだ語り足りないというか、天音√の良さだけでもう1記事くらい書ける気がしてるんですがそれはまたの機会ということで。次回作若しくは白石チカちゃんを攻略できる続編でお会いしましょう。(まだ言ってる)

 それではまた。こっからまた3年エロゲを待ってると俺の人生が狂いそうなので、ゆずソフト様に置かれましては早めの次回作を期待しております!!!!!!!!!!!!

「結城友奈は勇者である 花結いのきらめき」サービス終了に関して

【10/10追記】昨日の生放送グランドフィナーレにて、アドベンチャーパートのコンシューマ移植が発表されました! これで我々もこの素晴らしいゲームを忘れずにいられるし、後の世でゆゆゆを知った部員が良質なストーリーに触れられるということ。関係者の皆様ありがとうございます!

 

 

 

 スマートフォンゲーム「結城友奈は勇者である 花結いのきらめき」通称ゆゆゆいが、2022年10月28日16時でのサービス終了を発表した。

 1期のアニメからは少し時間が経ってからリリースされたこのゲームは、1期放送から少し経ってコンテンツに触れた私にとってはあらゆる意味で丁度よく、以来5年間、当たり前のようにやってきたゲームだった。勇者の章特別ステージを徹夜で周回した大学時代も、社会人になって仕事に追われながら必死で百花の祭典を周回した日々も、必要量の膨大なコインにもめげずコツコツ精霊を強化した日常も、どれも私にとっては青春だった。

 従って、8月31日に見たサービス終了のお知らせは、日常の崩壊と同義に思えた。こちらもプレイしている「戦記絶唱シンフォギアXD UNLIMITED」とアニメ大満開の章、待ち望んでいた二つのコラボが遂に実装とあって、ワクワクしながら迎えた日でもあった。仕事を終え、帰宅するなりシンフォギアを起動して遊び、夜も更けてきてからさーて本家も開くかと起動してのお知らせだった。信じられなかった。

 そしてそこからは一晩中SNSを見続けていた。私が知った22時頃にはもう一通り話題になった後だったらしかったから、とうに区切りをつけていた人すらいた。大往生だと言われていた。少々特殊な展開ではあれ、オリジナルテレビシリーズのソシャゲがよくもったほうだなと。それは確かにそうだと思うが、割り切ることはできなかった。今もできていないから、こうして仕事を休んでまで記事を書いているのだ。

 

 何故かって、日常だったのだ。5年だ。私の人生の5分の1は、このゲームと、コンテンツと共にあったのだ。

 

 ぶっちゃけゲーム性自体はまあ、そう大したものであったわけではない。特にここ最近のソシャゲは3Dでぬるぬる動く女の子たちが活躍したり、モンスターが暴れまわったりしているし、スマホ単体でアクション操作ができるものなんてのもある。一方でゆゆゆいはSDキャラを用いた一般的なタワーディフェンスゲームであった。キャラ1人につき一つのスキルを使うタイミング以外は、クエストが始まった時点から自動で進行していく……まあ対して工夫しなくてもそこそこ進めるゲームシステムでもあった。3年目辺りからは課金で手に入るスキップチケットのようなものも実装され、無課金勢の周回ハードルは高くなった。新たに実装されたレアリティURの排出率は渋く、無償ガチャに天井は終ぞ実装されなかった。時代の波に乗り切ることのない、特殊なゲームでもあったといえる。

 ただ、それでも最高のゲームだった。

 先に書いたように、このゲームは1期終了から大分経って2期の放送直前にサービスが開始された。そしてときが経ち、昨年末に3期が放送されるまでの4年ほど、「結城友奈は勇者である」シリーズをたった一人で繋ぎとめた立役者でもあるのだ。……まあ「外典」小説があったから一人ではないのだが、それらも最終的にゆゆゆいに入ってきてるんだからおんなじようなものである。

 

 このゲームの素晴らしかったところは、大きく3つ。「愛」と「日常」と「節操のなさ」である。

 

 「愛」はまあ、分かるだろうし、当然でもある。ファンの愛があるからコンテンツは続くものだ。だがこれは、それだけに留まらなかった。アニメメインキャラの声を務める面々は、今でこそベテランの風格を感じる方々だが(それでも若々しくてびっくりだが)1期アニメ放送時はまだキャリアをスタートさせたばかりの人も多かった。そのお陰か大きな愛を持って演じてくださっているように見えるし……最も彼女たちプロは全ての仕事に対して愛を持って臨んでいるのだろうが……。それもあってか、或いはコンテンツの成長のおかげか、途中加入のキャラクターに関しても多くの声優さんが喜んでくれていたようだった。ゲームのスタッフが、キャラの誕生日になると出すメッセージは本当に彼女たちをお祝いしているかのようで、キャラによって様付けしたり、ゲームならではの姿に触れたりとバリエーションに富んでいた。愛が伝わると、見ている側も嬉しくなったものだ。同じものを好きな人たちが、作ってくれているんだと感じられた。

 ところで私は最早、このゲームをコンテンツそのものの象徴のように思っているしそのように話しているのだが、それを踏まえた上で語る「愛」で欠かせないものがあるだろう。それはメインの舞台である香川、観音寺市の愛だ。先日、人生で初めて日本の東側から東京を越えて香川に赴いたのだが、この「愛」は現地でこそ強く感じることができた。観光案内所をはじめあらゆるところにグッズやポスターがあり、タクシーにまでゆゆゆのイラストが溶け込んでいる。私が行ったときはリアルイベントの時期とも外れていたので、ただ静かに見て回っていたのだが、まあグッズも買ったし写真も撮った。だが、道行く人も、お店の人もタクシーの運転手さんも嫌な顔一つせず、奇異の目も向けてこなかった。勿論、住民のすべてがゆゆゆを知っているわけでも、ましてやファンなんていうこともないだろう。そうであるにも関わらず、生活の一部として受け入れ、私のようなファンに対して冷遇せず、もてなしてくれる。まだ発表から10年も経っていない、ただ地元が一緒というだけの、ぶっちゃけアニメ内では割とおっかない展開もあるコンテンツに対しては、十分以上に「愛」に溢れた対応に感じられたのだ。

 また、観音寺だけでなく、丸亀などほかの舞台でもグッズを扱ってくれていたりするのはすごいと思った。歴史ある丸亀城のグッズ売り場で専用のコーナーが設けられていたのには目を疑ったものだ。しかも「乃木若葉」のグッズである。アニメで扱われたのは半年ほど前だが、もしもっと前から置いてくれていたのならば、それはこのゲームのお陰であることは間違いない。

 

 「日常」はストーリーの話だ。そもそも、我々……ファンが、ソシャゲに求めているものは何だろうか? 爽快なアクションが売りのゲームも昨今は多いが、ぶっちゃけそういうものは買い切り方のゲームのほうが出来がいい。ソシャゲの売りは何と言っても、更新頻度とエンドレスな展開である。平均月2回以上も新しい話題が提供され、キャラクターが、世界観が深堀りされる。数年に一度は大きな新展開だってやってくるだろう。勿論、後者はアニメや買い切りのゲームでも言えることではあるが、その間もずっと世界観に浸り続けられる。その持続感と、必ず次があるという安心感こそが、人々がソシャゲに求めているものだと私は思う。その上で、更にそれだけではないのだ。

 もうサービスは終了してしまったが、私がプレイしていた別のタイトル「刀使ノ巫女 刻みし一閃の燈火」。これもジャンル的にはよく似ていたと思うが、強いて言えばイベントも、メインのストーリーも殆ど一貫して敵……まあイベント時の多くは雑魚のみだが……との戦いが描かれていた。詳しい説明は省くが、作中において雑魚敵の退治はキャラ達の仕事だったからだ。公務員だから仕方がないが、戦いの傍らでキャラ同士の仲を深めていったようなものであった。まだ続いているものとしては「魔法少女まどか☆マギカ外伝 マギア・レコード」、コラボも果たした「戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED」ではイベントでもなかなかシリアスな展開が多い。一方、ゆゆゆいでは、安心して心穏やかに、笑いながら読める「日常」がとても多かったのである。これが、私が大好きだった理由の最たるものだ。

 アニメ本編を見るときは、その本筋が大事だった。少女たちが如何にして困難を乗り越えて、幸せになるのか。その過程としてシリアスな展開も、嘆きや慟哭も、戦いも必要なものだった。だが毎日触れるソシャゲで、月2回更新されるイベントで、そんなにハラハラドキドキしたいかと言われると答えはなかなかのノーであったのだ。私が求めていたのは、補完。本編で強く、たくましい姿を見せたキャラクター達の、なんてことはない日常部分こそが欲しかったのである。このゲームはそれをよく分かっていた。……いや、多分他のゲームでも分かってはいて、しかしできない部分があるのだ。だって作品ごとにテーマや、大事な展開がある。刀使達は敵、荒魂を斬るのが仕事だし、シンフォギアの奏者達も特務災害への対応が職務。魔法少女に至っては魔女討伐をやめると下手すれば死んでしまう。その一方で、勇者部の活動は「人の為になることを勇んでやる」である。ボランティアが中心の活動で、敵だってちょくちょく攻めては来るが日常のその辺にいるものではない。なんと、なんと日常を描きやすい題材だろうか! そんなわけでただ誕生会をするイベントだったり、みんなで商店街のイベントに出てみたりといった、素の部分満載のイベントストーリーが多かったのである。私はここまで名前を挙げたゲームなどは今も、これからも続けるつもりだが、もう二度とゆゆゆい程好みの真ん中をついてくるゲームには出会えないだろう。

 

 そして「節操のなさ」である。キャラクターが、増える増える。何故ってコンテンツとしてメディアミックスに積極的だったからであり、「外典」として多彩な物語とキャラクターが描かれたからだ。まあ元々がアニメと小説の二本柱で始まった作品だったし、歴史が重要な意味を持つ作品だったことも外伝の作りやすさにつながっていただろう。そんなわけでその外伝シリーズのキャラをがんがんゲームに登場させたのである。

 アニメ1期1話では4人だった勇者部が、サービス終了告知時点で32人になっていた……恐らく本編最終話までにあと2人増えるだろう。30人の増である。しかも恐ろしいとに、全員が等しくメインキャラである。これはもう完全にアホだ。プリコネですら美食殿の4人がいるんだぞ? 34人て。今や部室がどうなっているのか、公式でも考えないようにしているほどだ。

 だがそれこそが良かった。私は基本、ゲームはゲームで楽しむタイプだ。だからリアルイベントと言われてもふーんってなるし、「プロジェクトセカイ」でコンサートなんかがあった時もすごいな! とは思ったけど行こうとも思わなかった。まあ行くってなるとちょっとまた話が違うかもしれないが……満開祭り行ってたわけでもないし……とにかく、そんな人間でも、「いずれゲームにも来るであろう話」となると話は別なのだ。メディアミックス展開の情報もワクワクして見に行った。課金以外にも、別の方法でお金を落とした。まあちょっと生々しいが、コンテンツ全体に興味を持ち、関わるきっかけになったのは確かだ。当然新たなキャラクターとの絡みによってマンネリも感じにくく、新鮮な気持ちで5年間を過ごすことができた。

 

 こんな風に書いているが、私はファンとしてそこまで「ガチ勢」だとは言えないだろう。香川に行ったのが先日初めてと書いたがその通りで、満開祭りに参加したこともなく、久しぶりのスタンプラリーとも時期が合わなかった。ぶっちゃけ知らない人と話すの怖いし同人イベに顔を出したこともない。

 べた褒めのゲームだが、高難易度である「侵蝕」に関しては半分以上クリアできていないし、ストーリーも実は一部読んでいない。一時期、というかある時期から公式がめちゃくちゃ百合推しになったのでちょっと解釈違いを発症していたことがあってだな……まあifストーリーだしこういうこともあるよねって思ったことで一時期で済んだが、その頃のはまだ触れていなかったりする。これから読むけど。

 それでもこれほど大きなショックを受けて、今もまだ立ち直れていない……本当にこのゲームは、私の日常の一部だったんだなあと強く思う。無理せず遊び、夢中になる時はなり、たまに少し離れて、また戻れる場所。ずっとあると思っていた。これから10年くらいは続くと思っていた。だって、まだ、まだ先があったじゃないか! 新しい外典も予告されていた、柚木やリリ奈、新巫女二人とのイベントもこれからが楽しみだった! だから本当に喪失感が強い。今でも、何かの間違いで、明日目を覚ましたら新たな季節イベの予告が来ているような気がしてならない。終わるなんて、信じられない。アニメも最終章が描かれていることが大きい、きっとこの先、新展開があったとしても、コンテンツとしてもうゆゆゆい程大きな流れになってはくれないだろうから。それが分かることが何より辛く苦しい。

 それでも……それでも私たちは、生きていかなければならない。明日に向けて歩み出さなければならない。だって、ゆゆゆこそがそれを教えてくれたからだ。日常を失っても、心の支えを失ったとしても、人は仲間と、自分の可能性を信じて生きていかなければならないから。それをずっと見てきた我々ファンが、絶望することはあってはならない。たとえ明日に希望が見えなくても、その先を信じるのが大事だと知っているから。

 だから最後の2か月だけは。未練がましくも遊び続けて思い出を作っていこう。そしてそこからまた未来に進むのだ。勿論、忘れる必要はない。ファンとはずっと思い出話を語り合い、コンテンツの新たな展開を期待し、できることなら自分でもゆゆゆに関わる何かを作り出せばいい。それら全部を巻き込みながら、下を向くことなく歩き出すのだ。

 

 最後に、「結城友奈は勇者である 花結いのきらめき」ゲームスタッフにあらためて感謝を。サービス終了のお知らせからですら、作品への愛が強く伝わってきました。あなたたちの作ってくれたゲームは、私の、きっと他の多くのファンの心にしっかりと残るものでした。このゲームを遊んでいた日々を私たちはずっと忘れません。その上で、もう少し先にはなりますが、引きずることはなく生きていくことでしょう。一ファンの言葉ではありますが、「結城友奈は勇者である」のコンテンツに皆様が関わってくれて本当に幸せでした。

 「結城友奈は勇者である」シリーズ全体の今後の更なる盛り上がりを願って終わりとします。……兎に角残り2か月、楽しもーぜみんな!!!!!!!!!!

感想その六「ライブダンジョン!」

・ライブダンジョン!

 作者:dy冷凍

 おすすめ度☆☆☆☆☆ 5

 

 読みました。前々からチェックはしてたんですが、序盤読んで地の文の感じがあんま合わないかなー? って放置してた作品です。改めて読もうと思ったきっかけはネットでコミカライズが公開されてたことですね。面白いじゃ〜ん読むか〜ってなりました。エイミー可愛いなあ。

 読んでみると文章もすぐ慣れたんで特に問題は無いです。というか当たり前の話なんですけど人間最初は誰しも拙い部分があるというか、中盤辺りからは寧ろ読みやすかったです。三人称の良さがすごい出てた感じ。

 丁度ギスオン読み終わって放心してたとこだったんで、長めの小説読みたいな〜と思ってたらめっちゃ長かったですヤッター! 読み応えバツグンでした。

 

 この作品の魅力はずばり、人です。キャラ。設定自体はよくある異世界ものと言ってもいい(とはいえ世界観もよく考えられていて面白い)のですが、それ以上にですね。登場人物みんな生きているようなのです。

 これは、「活き活きしている」って意味とはちょっと違う。それもあるけど、何より、「行動に納得がいく」。この状況、環境下でこういった思考・性格の人間ならこう動くよなあっていう、その通りなんですよ。作者の都合で動かされてる感じがしないんです。……その通り、ってのも予想しやすいってことじゃないですよ? あとから振り返ると納得がいくって感じ。

 あと、主人公が割と性格が悪い。性格が悪いってか、性格が良くない。ほんと、ネトゲで揉まれてきた人って感じですね。当然読んでる我々も(ネット上での)人間関係酸いも甘いも経験してきてるので、これまた努の行動・言動に納得がいくという。だからなんつーか、読んでてイライラが少ないんですよね! あーーーそうじゃねーだろーーーーーそこはさーーーーー! ってならないというか。ストレスフリーです。

 特に、追い込まれた人間の心情描写と行動は群を抜いてるなと思いました。作者さん絶対性格悪いでしょ、若しくはそういった人を数多く見てきた人生経験の豊富さか? 見所になるから、小説書く人間としては書きたいんですけどね? 難しいんですよ……元々良いやつ、悪いやつならいいんですが、良いやつの心の奥底の闇とか描き方がねー。その点この作品は素晴らしいです。ネタバレになりそうですが、最終盤のツトムとディニエルとか、他にエイミー、ステファニー、ゼノ、あたりが好きかな。あとアーミラね、絶対ライダンってアーミラが主人公じゃんね? 主人公属性盛り込まれすぎでしょ彼女。読んでて二回ぐらい涙腺に来たけどどっちもアーミラ絡みだったよ。成れの果てのとことオルファンのとこ。

 ネタバレなしで書けるのはこのくらいですが、異世界モノとして読んでも人間ドラマを求めてる人でも楽しめる作品でしょう。とはいえ最低限のネットやオンゲー知識は必要なので初心者に進める作品とも違いますけど。兎に角、読んで後悔はしないと思います、是非。

 

 気持ちが収まらないのでネタバレ上等で一人一人コメントしてこうと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 ネタバレは読まないことをおすすめしますよ? 本編読んでから、あーそうだよな分かる分かる! って盛り上がってくれることを楽しみにしています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 おっけー? ちゃんと後日談まで読んできました? 作者のブログちゃんと訪問した?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 恋愛要素ここまで薄いのにこんなに妄想が膨らむ作品あるかっていうね? 結局ディニエルなんですよずるいね。

 分かる? 分かるでしょ。いいよねディニエル。無感動キャラみたいなナリしてながら結構感情表現激しいのいいよね。ボーっとしつつ実力トップクラス、からの子供っぽいやり取りとかずるくない? 属性盛りすぎでしょ。ヘアゴム攻撃あざとすぎて笑っちゃったぜ、最高じゃんね。90階層以降の執着も含めて努のこと好きすぎない? ライダンは彼女みたいに、イコール恋愛というわけではないけど努のことが大好きってキャラ多いのもいいよね。異性間でイコール恋愛じゃない好意を表現するのって難しいと思ってるんですよ、しかもイコールじゃないだけで絶対無いとも言えない感じが上手すぎる。無限の輪に戻ってくる日を全裸待機しています。

 努も努というか、普通に主人公失格なムーブかますんだけど(90階層~本編エピローグ辺り)、読者にも理解できる範囲の外道ムーブだから嫌いじゃないんだよね。ほんと、崩壊からの帰還はこの作品最大の見せ場だと思ってます。それで本編終わりって衝撃な感じもよかったし、その後も補足されてるから読者としては嬉しい限りだよね。オルファン事件でアーミラと向き合ってる時の心の変化はなんか、すごい感慨深かったですよ。……エイミー、ユニス、ロレーナ、アルマとか、あれかな? やっぱ男って雑な対応というか、興味ありませーんって感じのほうがモテるのかな? 羨ましいな……

 ガルム可愛いねガルム。まさか俺が男キャラに対して可愛いなんて感想を持つ日が来るとは思わなかったよ。でもそうとしか言いようが無いよ……忠犬じゃん。もうほんと努大好きじゃん。それが根本にありながらも、だからこその悩みや反発を90階層でやってくれたのもよかったなあ。アレがあったから、振り返ってみても作者に都合のいい相棒ポジなんて受け止め方にならないんだと思う。同時に努の人間臭さってのを表現する役にもなってくれてたかなと。

 エイミー可愛いよエイミー。エイミーはマジで好きだね、最初の生意気な感じも、努の前ではポンコツ化する感じも、恋故の暴走も、乗り越えて気安い関係って感じも全部いいね。ソリッド社殴り込みだけちょっと唐突な感じはしたけど(他が完璧故の綻び、って程度)初恋で感情を持て余してるって理由で後から納得いく範囲ではあったし、大失敗&火竜置いてきぼりのトラウマ→大好き! ってのも流れとして完璧なんだよな。作者様、物語を作るのが上手すぎる。今後どうなるのかある意味一番読めないキャラですが、個人的には諸々乗り越えたうえで真っ当に努を好きになってほしいなーっては思うね。あくまで一個人としてはね。理想。

 でも現状のヒロインレース、カミーユがぶっちぎりだからなあ。なんで10以上年上の未亡人が正ヒロインポジにいるんですか????? 包容力と理解度どっちもでNo.1じゃん。努が一人でいる時にいつも声をかけるのカミーユじゃんね? お漏らしという可愛げも見せていくあざとムーブ……あっ、してないんでしたっけ? ふーん……そう……。

 だからこそか、アーミラも殆ど恋愛的には努を見てない……まあ男を意識しちゃってドキッ☆みたいなのはあったけど、彼女は本当に父親のように、英雄のように努に憧れて、それを目指してって感じが主人公だよなあ。努が主人公ムーブ全然しないから余計そう見えるんだわ。マジで信頼して、大好きで、期待に応えたいもっと期待してほしいっていう原動力よ。まさに正統派。人間的にも(元が一番酷かったからだけど)すごく成長したわけで、やっぱライダンはアーミラの成長譚だった? さっきも書いたけど成れの果て観戦での男泣きとオルファンでの涙にこっちもやられました。ダリルはどっちかってーと裏切られた感でモヤってたようにみえたんだけど、こっちはもう努と一緒にいられないことが悲しくてしょうがないんじゃん。大好きじゃん。俺も好きだよ(?)

 ダリルは……なんか一番よく分かんないキャラになったね。というか多分、一番中途半端なんだと思う。賢くないけど馬鹿でも無くて、情に流されながら冷静に物事を見ててっていう。だからこそ人間臭いというか、思ってることと違うことしたり分かってても感情のままに動いたりするというか。まさか無限の輪出てからが彼の見せ場だとは思わんかったよ……でも折り合いつけてまた仲間に戻ってほしいなあ。彼はもう少しの間誰かに導いてもらって、その上で自立すると結構上手くいくと思うんだ。

 ところで後日談94、みんな読みました? ハンナ、参戦(ドン)! まあ恋愛方面に行くのかは分かりませんが、そうでなくても元々だいぶ寂しがり屋な感じありましたからね。多分彼女はみんなのことが大好きで、その上でもうちょっと努が好きみたいな感じだとは思うんですけど。けどこういう裏表のないキャラを作中でも馬鹿として描けるのが作者様すげえというか、いますもんね……脳みそ足りてないんじゃねーのみたいなヒロインが、賢いキャラとして描かれてたりすんの……。ハンナは自他共に認める馬鹿で、だからこそみんなに好かれるし、みんなのことが大好きで。でも馬鹿って、見方をいいことですよね? 努も言ってたけど、だからこそ要所でリスクを取れるし。彼女がいなけりゃ無限の輪は努帰還後のゴタゴタで解散してたんじゃないかってくらい、地味に重要なキャラに見てます。何をしたってわけでなくとも、存在がというかね。努との掛け合いも一番好きかもしれん。

 リーレイアはデレてから強くないですか??? 読者の中での正ヒロインはもうリーレイアでしょ。他の女と精霊契約すんなとかもう浮気対策じゃん。年下ヤンキー系主人公娘の涙レロってたクレイジーサイコレズはどこいったんでしょうか(それはまだいる)。ディニエルより心配&好意強めのツン反応が最高です。でもこれもね、ただ創作のヒロインだからってだけじゃない、納得できるんですよ。自分だけが周りと考えが、価値観が違うと。誰にも本音を見せられない、自分が汚らしい存在に思える時に、理解してくれる人に出会えた時にどれだけ心が救われるか。しかも、それだけじゃなくその人が、自分以上にヤベー人だったときにどれだけ安心できるかって言うね。体験したことある人なら、その後の感情の振り幅も納得いくと思います。自覚してない感じがいいよね、突然の涙もよかったけど、努の護衛に出た時の周りからの評判伝えたときの感じもすごい良かったよね。俺も性格悪いかもしれん……。

 ゼノはいいキャラに育ったなあ。凡人枠だけでも、お調子者キャラってだけでも埋もれそうなところをよく深堀されているというか。でも言われてみれば、ただお調子者なだけの人って現実にはあんまりいないよなーって。崩壊以降もまたオイシイ役どころというか、そうだよね、凡人ってのはそう簡単に何かを捨てられるわけじゃないよなーっていう謎の親近感すら感じながら読めたり……まあ王都の学校主席だったり、それを夢の為にほっぽり出せたり、明らかに安定が見えてるアルドレットクロウ蹴って無限の輪に入れたりと俺たちに比べれば十分すげえ人なんですけど。人間の弱い部分をよく分かってる彼だからこそ、努の謝罪を受け入れてまた信頼し合える関係に戻ってほしいものです。……だから努は言い訳ばっかしてないでまず謝ろうな!

 さて、突然ですけどコリナが後日談でダリルとステーキ食ってる描写見て私もステーキ食べに行ってきました。美味しかったです。そんな感じで大食いポジももらってる彼女ですけど、ある意味作者様本領発揮というか……。周りに感じる引け目というか、自分を卑下する感じだったり、それでいて仲間の強さに喜べる素直な人間性、努復活後のガルムを見て泣いちゃったりと人の良さを抜群に見せながらも、成れの果ての時の心の醜い部分も描かれていて素晴らしかったなあと。読者、最早コリナ以上にコリナという人間を理解しているのでは? 崩壊後無限の輪がもっていたのはハンナがいたからだって書きましたけど、もう一人コリナの活躍は絶対大きかったんだろうなあ。本質は善良ながら、怒ったり、厳しくしたり辛辣になってみたり、やっぱ一番大人なだけあるなって感じが凄い見えますよね。……ディニエル? 子供でしょあれは。それがいいんだけどね!

 無限の輪(カミーユも無限の輪みたいなもんでしょ)書いたところで気力が尽きたんで一旦終わりますが、他のキャラもみんな立っててすごいなあと思ってました。ステファニー、ユニス、ロレーナ、アルマ、レオン、ルーク、ヴァイス、バーベンベルクとか……個人的に好きなのはロレーナです。耳アタックしてくれ。

 それでは更新楽しみにしております!!!!!!!!!!!! (by更新が止まっている男)

感想その五「異邦人、ダンジョンに潜る。」

・異邦人、ダンジョンに潜る。

 作者:麻美ヒナギ

 おすすめ度☆☆☆☆☆ 5

 

 めっっっちゃ、疲れた。すっげえ褒めてます。読みごたえがあった。

 

 めっちゃ疲れるくらいに重厚で、密度の濃い物語でした。

 

 なんて言ったらいいんだろう……これは伝記ですね。ソーヤの、伝記。365日+αの伝記。そんな感じです。正直、思ってたのと違うというか、最初読む前に想像してたのはもっと銃器とか使ってダンジョン無双するorコッテコテのなろう系ファンタジーだと思ってました。実際には思ってた以上のものに出会えたんですけどね。主人公が苦しみながらも踏ん張って、仲間の力も得て、大きなものに立ち向かっていく物語が私は好きなのかもしれません。王道ともいうか? 大枠の流れだけ見れば。

 何喋ってもネタバレになる……これ毎回感想で言ってますね。ええと、感想欄でよく言われていたのは、SF+ファンタジー。まあ私普段SF読まないんで「そーなんだー」って感じですけど、逆に言えばね、普段なろうで呼んでるファンタジーとはひと味、いやふた味……ろく味くらい違うなとは思いました。

 文章もしっかりしていて読みやすいですし、個人的には伏線の凄さにもう興奮しましたね。Web小説って、私もそうですけど割と勢いで書いてる作品も多くって。世界観がしっかりしていて、伏線スゲー! って思って読んでたのも含めて、細部を見ると結構粗があったりはするんですよ。重要キャラが途中でポッと出てきたりね。けどこの作品は、最初に出てきたキャラがずっと最後まで意味があって活躍して、出来事が繋がっていて、後半になってアレはこういうことだったんだ! って分かるのがすごく多い。こういうのが「完成度が高い」って言うんだろうなと思いました。これネタバレになるか?

 

 そんなわけで、是非読んでみてください。余談ですが、マジで密度が凄いので、暫くこの作品読むだけで過ごせますよ読書狂の皆さん。私は読むのに二週間以上かかりました(途中で心が乱れて時間を空けたので読了までは一か月弱かかってます。10部です。読めばわかります)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、ここからネタバレをします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いいですか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 はい。実はこの作品に関してはネタバレにうるさく言えないんですよ私。というのも、10部5章レイヴ、その直前に嫌な予感がして。この作品それまでもネオミアのバーフル様関連あたりとかではらはらしてたんですけど、逆になんか静かすぎるというか穏やかすぎるというか……それでいてベルが去ったり、剣と麦でめっちゃフラグ立ててたりしたので。あれ、もしかしてこれソーヤくんヤバいのでは? と思って私、耐えられずに、先のほうの1話を流し読みしてしまったのです。

 そして読んだのがちょうど、何の因果か運命か、星々の彼方より帰還せり(4)。先のほうどころかほぼ最後ですが、最後のほうを見ておきたい、けど一番最後は流石にちょっと……というチキンが呼んだ悲劇でしたわ。何が悲劇って?

 

 あの。

 

 私の再推しがエアだったんですよ!!!!!!!!!!!!!

 

 おいおいお兄ちゃん、大丈夫か? ちゃんとエアとも結婚してくれるんだろうな~? って思いながら読み進めてのこれですよ。死ぬよ? 死にました。なんかもう1週間読むの止まりました。そのショックと、ネタバレ読みまくってでも先の展開が知りてえよお! の気持ちと、いやいやそんなこと言わずに順番に読もうよって理性と、でもレイヴ読むの気持ち作ってからじゃないと無理やんの思考が激しくぶつかり合っていましたね。

 で、レイヴ以降、アッシュ編、復活後、外伝含めて読み切って。あの、物語としてはネタバレなしのとこで褒めたんで煩悩開放していいですか? 

 

 そのね。

 

 エアー! お兄ちゃんのとこに戻ってきてくれー!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 いやもうなんかね、一度この結末を読んだらね? 幸せな頃のイチャイチャ読めねえっすよ。雪風ちゃんも好きなんですが、それでも尚あの頃に戻ってほしいよ派の読者としては読めねえっすよ! てか、ゼノビアもね! そっかーって叫んだよね! 男勢は割とまっとうに肩を並べて戦ったり、伏線回収というか復活も結構ストレートな感じなんだけど、女性陣ちょっと心を抉る変化球が多すぎないですか? エヴァッタさんが死んだ時も泣きそうだったよ、それまでに心の準備させてくれたから我慢したけど! エヴァッタちゃんになったから笑ったけど! イゾラもね、マキナもね! マリアもだね! 女性陣!!!

 というか男性陣、バーフル様や第一の王子まで含めてこう、好感度上がる場面多少はあったから、マジでマイナス一方向で終わったのってハゲとガルウィングくらいかもしれない。そんな、人間基本いいところも悪いとこもあって、ただほんの一部ガチでどうしようもないのもいるって辺りが現実~って感じですわ。あ、オロック様……忘れました。うん。

 というか私の推しがエア、雪風、ベルそれにイゾラってあたりこう、趣味がね、分かりやすいよね。ロリコンじゃねーわよ? でも子供っぽいというか、元気いっぱい直観一直線な感じが好きなんじゃないですかね、ええ。雪風はちょい悪だくみできるとこがそれはそれで好き。オカンっぽさというか、これはそう、バブみ……? 違うわそれはセラ様のものだわ。

 だからその、ソーヤキッズたちも大好きなんだけども、10部以前の雰囲気が忘れらんねーんですよなあ……神様たちも含めて。

 

 そう、神様ね。グラッドヴェイン様はじめ、結局どうなったんですかね? 作中触れられてましたっけ。いや、母様が姿を消したっては書いてましたけど、でミスラニカ様も消えたのは分かるけど。ミネバ姉妹神とか……呪いで縁切れてんかな、やっぱり。その辺神様の影響力みたいのがちょっと掴みきれなかったとこはあります。いや、神なんて曖昧なものではあるし、ベルとウカゾール様から神自体が世界から焼失したわけじゃないってのは分かるからいいんだけどね。ほら、神様のご飯会みたいな回、アレも幸せ過ぎたからさ……結局あれ訪ねてきたの誰だ? グリズナス様だったりする??

 そういう伏線の確認のためにも読みたいんだけど、うん、そうだね。10部以前読めねえの話に戻ってきたね。ベルは、まあ、収まるところに収まった感はあるけどね、エアはさあ。お見合い上手くいかないならもうお兄ちゃんでよくない? いいよね?? ラナもいらないとか言ったじゃんってからかいながら受け入れるまでないですか??? 妹と言えば雪風も好きなんだけど、書いてて思ったけどソーヤって確か遺伝子情報変わってたよね復活後? それはつまり雪風ちゃんとも合法なのでは?? もうね、作者様が書くまでは、書かれてない部分は私の頭の中で事実なわけですからね?? そんな妄想してもいいと思うんですよ。駄目? 駄目かあ。

 逆に書かれた部分はもうどうしようもないという意味でレグレが辛すぎるんですけども。変えようのない史実……。

 ベルと言えば、復活後のソーヤと唯一縁が完全に切れたままのメンバーなんだよね。シュナはボス戦前で会ってるし、多分ロラ絡みで後からまた会ってるでしょ。ロラはね、親父さんの記憶の中のシーンも気になるわね。うーん駄目だどこまでも語れるな!

 

 もうあれだ、Web版一から読み直しはしないだろうな。本当に素敵な作品だったけど、何度も言うように幸せなシーンで心が張り裂ける(断言)から。しょうがないから書籍で買って強引(自作自演)に読もうかな。ラナ可愛いし。言動とかエア好きすぎるけど書籍のラナの絵可愛くて好き。そんなわけで、ネタバレありの感想もとい心の叫びでした。是非読んでみてください、そして俺と叫ぼうな!!!

感想その四「打ち砕くロッカ」

・打ち砕くロッカ

 作者:ジェームズ・リッチマン

 おすすめ度☆☆☆★★ 3

 

 最後まで読んでくれ、その一言に尽きる作品。

 序盤で判断するタイプの人にはおすすめ度☆2、最初から全部読む気になってる人には☆5でおすすめします。マジでそんくらい最後まで読んでほしい。

 

 実は私も結構序盤で一度投げ出していました。具体的には一部二章前半、ナタリーに喧嘩売った辺りですね。兎に角序盤が……後々詳しく書きますが、読むのが大変で。ただ、個人的な感想としては特に二部のお祭り感など、しっかり読み進めていけばどんどん魅力が見えてきます。

 主人公のロッカ、彼女がまた個性的です。若くして鉱山で働いていた彼女が、「魔術の特異性」という……まあ、例えが正しいかは分かりませんが、障害のようなものを理由に研究機関である魔術学園にやってくる所から物語が始まります。この子がね、等身大というか、年相応の少女で。悩んだり、挫けそうになったりしながらも、ゆっくりと学び、人との繋がりを作り、成長していく物語なのです。彼女の送る学校生活がかなり細かく描写されているので、読んでいるこっちもなんだか机に向かいたくなってくるくらい。チート的なのもほぼ無く、遊んだりしながらもゆっくりと努力し、一歩一歩着実に成果を上げていく様が魅力的です。

 なんです、が……最序盤のロッカが、最初私は好きになれませんでした。物語は彼女の一人称視点で進んでいくのですが、まーうじうじくよくようだうだしてるのなんの! 元々鉱山で働くのが大好きだった子で、親に半分無理やり入学させられたこともあって、やる気が無いだの故郷に帰りたいだのそればっか言ってます。いや、本当に最初だけですし、最後まで読んだ今ならそれも「主人公らしい主人公」の人間味のある一要素だと評価できるんですが。読み始めでそればっか言ってるんだもん……クラインの嫌みも最初はマジで只の嫌みですし、本当に最初が大変でした(個人の感想です)。

 ただ、文章はしっかりしているし、世界観も緻密な印象があったので読み進めていったところ……ナタリー戦(一部二章終盤)で盛り上がり、その後の展開でクラスメートに愛着が湧き。一部最後の戦いで「あ、これやっぱ面白いわ!」となったら二部はもう止まりません。今まで以上に、人を引っ張っていくようなロッカの魅力が前面に押し出され、広がる交友関係やドキドキする展開に引き込まれ……二部に入ってからは3日くらいかけてずっと読んでました。土日全部使いました(何やってんだ)それくらい超面白かったし三部も楽しみです。

 私は個人的に女性主人公の、正確には女性主人公視点の恋愛要素が凄く苦手なのですが(何故だかはよく分かりません)、この作品は今のところそういう要素があまり強くないのも好きでした。全く無いわけではないのがね、いいよね……この辺はもうフィーリングというか、感覚的な話ですが。

 

 さて、唯一これはすごく不満だったのですが……あ、軽いネタバレ挟みますよ。

 

 

 

 いいですかね? マジで不満なので読みたくない人も飛ばしてね?

 

 

 

 

 

 ソーニャと最初に買い物行った後、ロッカが小銭足りないってなってたシーン。あれ、「実はソーニャが内緒でくすねてた」んだと私ずっと思ってました。なんだよー、最初にできた友達が嫌な奴かよ……って思ったのも序盤を読みづらかった原因です、みんな裏があるように見えちゃって。

 いや、だって仕方なくないですか? 仲良くなったはずなのにその後丁度ソーニャの出番が減りますし。次に買い物行くときヒューゴだかがついて行こうとしたら一瞬嫌な顔するし。全部読み終わった今なら、「ソーニャはロッカ以外と元々仲良くなかった」「ソーニャは戦闘タイプの魔道士じゃなかった」からの反応・展開だって分かりますけど……アレあそこで挟む必要ありましたかね? かなりさらっと原因判明しますし、けどそれが絶妙に後の方ですし。深読みするなら、ルウナと合わせて「みんながみんな裏があるわけじゃないんだよ」って読者に語りかけるための伏線とか? 分かんないですが、初見でのあの展開はマジでちょっと……気づいたときになんだったんだあの不信感は……ってなりましたよ。

 

 

 

 ネタバレ終わり。

 

 

 

 最後に盛大な批判をしてしまいましたが、全体的には本当に読んでよかったと思える作品です。先を急がずじっくりと、もう一度読み返そうと思っています。というかもう読み返し始めましたがやっぱり文章も設定もあと伏線もすごいしっかりしてる……!

 高校や、大学の頃の青春をもう一度感じたい人。重厚な設定のファンタジーを楽しみたい人。主人公たちの地道な成長を見守りたい人におすすめします、是非読んでみてください!

感想その三「まどスト」

 どうも! 感想その二を書いている私と同日の私です。

 一記事に二作品乗せたかったのですが、文字数の都合により別に投稿します! こっちもすごい面白かった!

 

 

・超舌天才魔導少女と公式変態ストーカー剣士が、国の金でグルメをめぐる旅に出た。

 作者:河津田 眞紀

 おすすめ度☆☆☆☆☆ 5

 なんというか、すごい満足感。言い方は(周りに)よくないかもですが、ここまで完成度の高い小説をネット小説で初めて見たかもしれません。

 本作品は恋愛小説だと、私は勝手に思っています。超舌天才魔法少女と公式変態ストーカー剣士が如何に愛を育んでいくかの物語。勿論、最初は付き合っているわけでも何でもないのですが、恋と言うよりはもうなんかずっと愛に見えるんですよね。まあ二人がそれぞれに片思いでいる場面もすごく可愛いのですが。

 それでいて、他の要素が「おまけじゃない」ところが素晴らしい。グルメの描写もしっかりしていて読んでるとお腹が減ってきますし、彼らの(本来の)任務にもはらはらどきどき楽しませられます。一部のファンタジーならではの王道冒険ものみたいな展開は勿論、二部の調査もすごくよかった! 判明していく事実の少なさに「えっこれほんとに解決するんか……?」とエリスと一緒に心配していました。特殊部隊の優秀さに感心するとこまで一緒かも。キャラクターも皆魅力的で、尚且つ一部と二部で主人公二人以外の登場人物がほとんど変わったので、次はどんなキャラクターに出会えるんだろう? と楽しみにもなりました。というか、読者から見ても勿論そうですけど、人付き合いの少ないエリスとクレアにとっても新たな繋がりはきっとすごく尊いものなんですよね。いずれはこれまでの繋がりもまた見れるかな、などと二部を読み終わった今も期待が止まりません。

 さて。そもそも私は、本来は恋愛小説を読むのがそれほど好きではありません。というか、得意ではありません……残念なことに現実であまりそういった事柄に馴染みが無く(本当に残念)、だからといって小説にそういった、トキメキ的な要素を求めてこなかった物ですから。しかも、多くの恋愛小説は恋愛の過程そのものがフォーカスされていると言うか、まあ男女の悩みやすれ違いが多く傷つきながらも成長していき愛を知るという作品が多いように思います……尤も、殆ど読まない人間のイメージなので実際には大きく異なっているかもしれませんが。

 しかしこの作品は、……うーんやっぱり恋愛小説じゃないのかもしれませんね。純愛小説? あ、それいいかも。そういう作品なのです。お互いがお互いを変えていく、お互いの存在が自分のためになっている、相手の喜びが自分の喜びになるような理想的な二人の関係を楽しめます。人によるのかもしれませんが、俺が求めていたのはこれなんだよ。幸せが見たかったんだよ。二人の幸せを二人で育む、そしてもっと幸せになっていく、そんな二人が見たかったんだよ! そう叫びながら読んでいました。

 最初は外で読んでたにも関わらずちょっと変な気持ちになっちゃった二人のイチャつきようも最高なんですが、より素晴らしいのは心情を、彼らの行動を通してしっかり描いていることでしょう。字の文での心情描写がそれほど多くないにも関わらず、彼らの動きや発言から、愛が、悩みがちゃんと分かります。特に私はクレアが好きだと伝えたくて堪らなくなってるところや、エリスが『花束』の中で告げた不安にならずにいられる理由の場面では大きく頷いてしまいました。うんうん分かる分かる、好きな人は自由に楽しんでいるのが一番好きだけど、同時に誰にも触れさせず自分だけを見ていて欲しいよね(また別の場面)。一番前述のとおり現実での体験はあまり無い筈なのにね? 読み終えた今、すごい大恋愛をした気になってます。それはそれで大丈夫か?

 文章力というか、書き方もすごく綺麗で読みやすいです。実は最初、エリスの口調を中心にちょくちょくハートマーク出てるの気になるかなーと思ったのですが、あれいいですね。いいアクセントでした。大切な愛情はしっかり文章で描きながら、ご飯の前でちょっと理性を失ってる感じがすげーわかる。

 また、細かいところではクレアが徹頭徹尾変態でありストーカーであるところも個人的には大好きです。タイトル詐欺、たまにありますからね……エリスもずっとグルメが第一ですし、根っこは変わらないままにお互いを愛し、変わっていく二人が素敵。ただここが唯一、苦手な人もいるポイントではあるのでしょうかね? マジで変態だからなあのストーカー。

 そんなわけで私としては超おすすめです。マジで二人が理想的すぎるので、失恋した直後に読むと死にたくなる可能性がありそのタイミングだけはお勧めしませんが、それ以外の全ての人におすすめします。是非本作品を読んでキュンキュンしたうえで、貴方の人生にも特大のキュンキュン展開を呼び込んでください。私も、頑張らないとな……。

 

 

 なお、本作品は知人に紹介いただき知った作品になります。いつも良質な作品をお教えいただきありがとうございます!

 本ブログを訪れて下さった皆さんも、是非お勧めを教えてください。私も読んだ作品の魅力をさらに多くの人に知ってもらえるよう書きますので、みんなでどんどん良質な作品を共有していきましょうね!!!

感想その二「俺にはこの暗がりが心地よかった」

 皆さんお久しぶりです! 本、読んでますか!?

 最近になって出会った素敵なWeb小説を紹介します。更新止まってる間にもめちゃめちゃ面白い作品を読んでましたが、それはまた改めて!

 

・俺にはこの暗がりが心地よかった

 作者:星崎崑

 おすすめ度☆☆☆☆★ 4

 異世界モノ、神様がストレートに出てくる、スキル制と地雷臭しかしないのによくこれだけの物語を描けるなとなんというか感心してしまった作品でした。

 突如現れた神により異世界に強制的に転移させられる1000人、しかも「残った」全世界の人々から行動の全てを監視されるという環境に、紆余曲折を経て放り込まれた主人公の……足搔きを描いた作品です。うん、少なくとも第一章はそうね。

 尚、この作品の感想に関してはネタバレなしに語ることが出来ないので、未読の方はこの先を読まずに作品を読んでから来ることをおすすめします。ネタバレなしでのアピールポイントとしては、主人公の悩みや葛藤がすごくリアルで読んでるこっちまで辛くなるとこです。……アピールになってる? 私はすっごい好きでした。「残った」人々と一緒に無事を祈りながら見守ってる感覚になれますよ。

 あと主人公、強いんですよ、強いんですけど、俺TUEEE感がそれほどでもなくて。かと言って弱すぎるとか、モブのような卑屈な感じでもないのでとてもいい塩梅ですね。できることをやる、という意思の強さで強くなっていく。少しずつ、本当にすこーしずつできていく仲間たちもそんな主人公を支え、一緒に強くなっていくのが見ていて気持ちいい。

 ……駄目だ! これ以上はネタバレになってしまう! さあ未読の人はUターンして作品を読んできましょう。書籍版も近々出るらしいですよ、そっちで読むのもよりいいですね。俺もTwin/SiSのお顔を拝みに行くか……。

 

 

 

 そんなわけでここから先は、読み終えた方と感想を語り合うコーナーです。いくぜいくぜ~?

 

 

 

 はい。そんなわけで、実は一番すっげえなと思ったのは作品の構成なのです。

 一章ではTwin/SiS目線でのお話が一切ありません。これによって我々読者は、ヒカルと同じく「裏で何が起こっているのか分からない」状態で先の展開に向かっていくことが出来ます。一方で、掲示板回を挟むことで我々読者は視聴者たちの目線から、異世界の曖昧だった部分や他の転移者の動向を伺い知ることもできる。これによって、不安だらけのヒカルの冒険を一緒に体験しながら、少しの情報アドバンテージによって心配する視聴者の目線も楽しみつつ一章を追い、二章で遂に答え合わせをした上でその先を異世界モノの小説として楽しめるわけです。一粒で、二度も三度も美味しい。本当に上手い構成だなと思いました。私自身も趣味で小説を書きますが、絶対妹たち一章で書いちゃってましたね私なら。その我慢強さ、本当に尊敬します。

 さて、内容そのものですが……これも、上手い。まずは「強さの理由」です。序盤の過酷な環境を、ハイリスクハイリターンのスキルを救済措置で上手く逃げ切ったこと。そして精神的に追い詰められているが故に淡々とやるべきことをやる。なんつーか、すごく納得がいく。そして精神力というか、心を病んだうえでも尚前に進めるその基礎が、二章の家族との関係で垣間見えてきてもうほんとただただ応援したくなりますね。そんじょそこらの自分勝手チートとはわけが違いますね(暴言)!

 あとは恋愛模様というか、人間関係? ヒカルの心配も、まあ尤もですよねえ。好きな人と一緒にいればいるほど、自分だけに向けられた表情が全て全世界に筒抜けになる。独占欲強めな私的にはなかなかに地獄というか……カメラのマニュアルモード実装された二章以降なら兎も角一章の状況ではリフレイアと一緒にいられないというヒカルの気持ちが凄く理解できるというか。

 なんか上から目線な感想が多くなってしまっていて申し訳ないのですが、読んでいて面白い! って思う瞬間も多かったです。序盤を除けば王道展開、しかし視聴率レースで自暴自棄なヒカルによって微妙に予想を外されていく。このわくわく7割はらはら3割くらいの感じが楽しい。

 おすすめ度が4なのは、万人受けするかと言うと、それはどうかな……と思ったから。登場人物みんなずっと悩んでるから爽快感はあんまり無いかも? ジャンヌくらいかな、でも彼女も開き直ったからの能天気さみたいなとこあるしなあ。絶対女性は大変よね、あれ。個人的にはこういう、悩みや葛藤をじっくり描いてくれる作品は大好きです。なので、同じ趣味の人達に是非とも呼んでほしいなあ。絶対気に入る!

 最初に書いた通り書籍化するらしいですし、Web版も連載続いてるので、今後も楽しみな作品でした。