趣味日記

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「結城友奈は勇者である 花結いのきらめき」サービス終了に関して

【10/10追記】昨日の生放送グランドフィナーレにて、アドベンチャーパートのコンシューマ移植が発表されました! これで我々もこの素晴らしいゲームを忘れずにいられるし、後の世でゆゆゆを知った部員が良質なストーリーに触れられるということ。関係者の皆様ありがとうございます!

 

 

 

 スマートフォンゲーム「結城友奈は勇者である 花結いのきらめき」通称ゆゆゆいが、2022年10月28日16時でのサービス終了を発表した。

 1期のアニメからは少し時間が経ってからリリースされたこのゲームは、1期放送から少し経ってコンテンツに触れた私にとってはあらゆる意味で丁度よく、以来5年間、当たり前のようにやってきたゲームだった。勇者の章特別ステージを徹夜で周回した大学時代も、社会人になって仕事に追われながら必死で百花の祭典を周回した日々も、必要量の膨大なコインにもめげずコツコツ精霊を強化した日常も、どれも私にとっては青春だった。

 従って、8月31日に見たサービス終了のお知らせは、日常の崩壊と同義に思えた。こちらもプレイしている「戦記絶唱シンフォギアXD UNLIMITED」とアニメ大満開の章、待ち望んでいた二つのコラボが遂に実装とあって、ワクワクしながら迎えた日でもあった。仕事を終え、帰宅するなりシンフォギアを起動して遊び、夜も更けてきてからさーて本家も開くかと起動してのお知らせだった。信じられなかった。

 そしてそこからは一晩中SNSを見続けていた。私が知った22時頃にはもう一通り話題になった後だったらしかったから、とうに区切りをつけていた人すらいた。大往生だと言われていた。少々特殊な展開ではあれ、オリジナルテレビシリーズのソシャゲがよくもったほうだなと。それは確かにそうだと思うが、割り切ることはできなかった。今もできていないから、こうして仕事を休んでまで記事を書いているのだ。

 

 何故かって、日常だったのだ。5年だ。私の人生の5分の1は、このゲームと、コンテンツと共にあったのだ。

 

 ぶっちゃけゲーム性自体はまあ、そう大したものであったわけではない。特にここ最近のソシャゲは3Dでぬるぬる動く女の子たちが活躍したり、モンスターが暴れまわったりしているし、スマホ単体でアクション操作ができるものなんてのもある。一方でゆゆゆいはSDキャラを用いた一般的なタワーディフェンスゲームであった。キャラ1人につき一つのスキルを使うタイミング以外は、クエストが始まった時点から自動で進行していく……まあ対して工夫しなくてもそこそこ進めるゲームシステムでもあった。3年目辺りからは課金で手に入るスキップチケットのようなものも実装され、無課金勢の周回ハードルは高くなった。新たに実装されたレアリティURの排出率は渋く、無償ガチャに天井は終ぞ実装されなかった。時代の波に乗り切ることのない、特殊なゲームでもあったといえる。

 ただ、それでも最高のゲームだった。

 先に書いたように、このゲームは1期終了から大分経って2期の放送直前にサービスが開始された。そしてときが経ち、昨年末に3期が放送されるまでの4年ほど、「結城友奈は勇者である」シリーズをたった一人で繋ぎとめた立役者でもあるのだ。……まあ「外典」小説があったから一人ではないのだが、それらも最終的にゆゆゆいに入ってきてるんだからおんなじようなものである。

 

 このゲームの素晴らしかったところは、大きく3つ。「愛」と「日常」と「節操のなさ」である。

 

 「愛」はまあ、分かるだろうし、当然でもある。ファンの愛があるからコンテンツは続くものだ。だがこれは、それだけに留まらなかった。アニメメインキャラの声を務める面々は、今でこそベテランの風格を感じる方々だが(それでも若々しくてびっくりだが)1期アニメ放送時はまだキャリアをスタートさせたばかりの人も多かった。そのお陰か大きな愛を持って演じてくださっているように見えるし……最も彼女たちプロは全ての仕事に対して愛を持って臨んでいるのだろうが……。それもあってか、或いはコンテンツの成長のおかげか、途中加入のキャラクターに関しても多くの声優さんが喜んでくれていたようだった。ゲームのスタッフが、キャラの誕生日になると出すメッセージは本当に彼女たちをお祝いしているかのようで、キャラによって様付けしたり、ゲームならではの姿に触れたりとバリエーションに富んでいた。愛が伝わると、見ている側も嬉しくなったものだ。同じものを好きな人たちが、作ってくれているんだと感じられた。

 ところで私は最早、このゲームをコンテンツそのものの象徴のように思っているしそのように話しているのだが、それを踏まえた上で語る「愛」で欠かせないものがあるだろう。それはメインの舞台である香川、観音寺市の愛だ。先日、人生で初めて日本の東側から東京を越えて香川に赴いたのだが、この「愛」は現地でこそ強く感じることができた。観光案内所をはじめあらゆるところにグッズやポスターがあり、タクシーにまでゆゆゆのイラストが溶け込んでいる。私が行ったときはリアルイベントの時期とも外れていたので、ただ静かに見て回っていたのだが、まあグッズも買ったし写真も撮った。だが、道行く人も、お店の人もタクシーの運転手さんも嫌な顔一つせず、奇異の目も向けてこなかった。勿論、住民のすべてがゆゆゆを知っているわけでも、ましてやファンなんていうこともないだろう。そうであるにも関わらず、生活の一部として受け入れ、私のようなファンに対して冷遇せず、もてなしてくれる。まだ発表から10年も経っていない、ただ地元が一緒というだけの、ぶっちゃけアニメ内では割とおっかない展開もあるコンテンツに対しては、十分以上に「愛」に溢れた対応に感じられたのだ。

 また、観音寺だけでなく、丸亀などほかの舞台でもグッズを扱ってくれていたりするのはすごいと思った。歴史ある丸亀城のグッズ売り場で専用のコーナーが設けられていたのには目を疑ったものだ。しかも「乃木若葉」のグッズである。アニメで扱われたのは半年ほど前だが、もしもっと前から置いてくれていたのならば、それはこのゲームのお陰であることは間違いない。

 

 「日常」はストーリーの話だ。そもそも、我々……ファンが、ソシャゲに求めているものは何だろうか? 爽快なアクションが売りのゲームも昨今は多いが、ぶっちゃけそういうものは買い切り方のゲームのほうが出来がいい。ソシャゲの売りは何と言っても、更新頻度とエンドレスな展開である。平均月2回以上も新しい話題が提供され、キャラクターが、世界観が深堀りされる。数年に一度は大きな新展開だってやってくるだろう。勿論、後者はアニメや買い切りのゲームでも言えることではあるが、その間もずっと世界観に浸り続けられる。その持続感と、必ず次があるという安心感こそが、人々がソシャゲに求めているものだと私は思う。その上で、更にそれだけではないのだ。

 もうサービスは終了してしまったが、私がプレイしていた別のタイトル「刀使ノ巫女 刻みし一閃の燈火」。これもジャンル的にはよく似ていたと思うが、強いて言えばイベントも、メインのストーリーも殆ど一貫して敵……まあイベント時の多くは雑魚のみだが……との戦いが描かれていた。詳しい説明は省くが、作中において雑魚敵の退治はキャラ達の仕事だったからだ。公務員だから仕方がないが、戦いの傍らでキャラ同士の仲を深めていったようなものであった。まだ続いているものとしては「魔法少女まどか☆マギカ外伝 マギア・レコード」、コラボも果たした「戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED」ではイベントでもなかなかシリアスな展開が多い。一方、ゆゆゆいでは、安心して心穏やかに、笑いながら読める「日常」がとても多かったのである。これが、私が大好きだった理由の最たるものだ。

 アニメ本編を見るときは、その本筋が大事だった。少女たちが如何にして困難を乗り越えて、幸せになるのか。その過程としてシリアスな展開も、嘆きや慟哭も、戦いも必要なものだった。だが毎日触れるソシャゲで、月2回更新されるイベントで、そんなにハラハラドキドキしたいかと言われると答えはなかなかのノーであったのだ。私が求めていたのは、補完。本編で強く、たくましい姿を見せたキャラクター達の、なんてことはない日常部分こそが欲しかったのである。このゲームはそれをよく分かっていた。……いや、多分他のゲームでも分かってはいて、しかしできない部分があるのだ。だって作品ごとにテーマや、大事な展開がある。刀使達は敵、荒魂を斬るのが仕事だし、シンフォギアの奏者達も特務災害への対応が職務。魔法少女に至っては魔女討伐をやめると下手すれば死んでしまう。その一方で、勇者部の活動は「人の為になることを勇んでやる」である。ボランティアが中心の活動で、敵だってちょくちょく攻めては来るが日常のその辺にいるものではない。なんと、なんと日常を描きやすい題材だろうか! そんなわけでただ誕生会をするイベントだったり、みんなで商店街のイベントに出てみたりといった、素の部分満載のイベントストーリーが多かったのである。私はここまで名前を挙げたゲームなどは今も、これからも続けるつもりだが、もう二度とゆゆゆい程好みの真ん中をついてくるゲームには出会えないだろう。

 

 そして「節操のなさ」である。キャラクターが、増える増える。何故ってコンテンツとしてメディアミックスに積極的だったからであり、「外典」として多彩な物語とキャラクターが描かれたからだ。まあ元々がアニメと小説の二本柱で始まった作品だったし、歴史が重要な意味を持つ作品だったことも外伝の作りやすさにつながっていただろう。そんなわけでその外伝シリーズのキャラをがんがんゲームに登場させたのである。

 アニメ1期1話では4人だった勇者部が、サービス終了告知時点で32人になっていた……恐らく本編最終話までにあと2人増えるだろう。30人の増である。しかも恐ろしいとに、全員が等しくメインキャラである。これはもう完全にアホだ。プリコネですら美食殿の4人がいるんだぞ? 34人て。今や部室がどうなっているのか、公式でも考えないようにしているほどだ。

 だがそれこそが良かった。私は基本、ゲームはゲームで楽しむタイプだ。だからリアルイベントと言われてもふーんってなるし、「プロジェクトセカイ」でコンサートなんかがあった時もすごいな! とは思ったけど行こうとも思わなかった。まあ行くってなるとちょっとまた話が違うかもしれないが……満開祭り行ってたわけでもないし……とにかく、そんな人間でも、「いずれゲームにも来るであろう話」となると話は別なのだ。メディアミックス展開の情報もワクワクして見に行った。課金以外にも、別の方法でお金を落とした。まあちょっと生々しいが、コンテンツ全体に興味を持ち、関わるきっかけになったのは確かだ。当然新たなキャラクターとの絡みによってマンネリも感じにくく、新鮮な気持ちで5年間を過ごすことができた。

 

 こんな風に書いているが、私はファンとしてそこまで「ガチ勢」だとは言えないだろう。香川に行ったのが先日初めてと書いたがその通りで、満開祭りに参加したこともなく、久しぶりのスタンプラリーとも時期が合わなかった。ぶっちゃけ知らない人と話すの怖いし同人イベに顔を出したこともない。

 べた褒めのゲームだが、高難易度である「侵蝕」に関しては半分以上クリアできていないし、ストーリーも実は一部読んでいない。一時期、というかある時期から公式がめちゃくちゃ百合推しになったのでちょっと解釈違いを発症していたことがあってだな……まあifストーリーだしこういうこともあるよねって思ったことで一時期で済んだが、その頃のはまだ触れていなかったりする。これから読むけど。

 それでもこれほど大きなショックを受けて、今もまだ立ち直れていない……本当にこのゲームは、私の日常の一部だったんだなあと強く思う。無理せず遊び、夢中になる時はなり、たまに少し離れて、また戻れる場所。ずっとあると思っていた。これから10年くらいは続くと思っていた。だって、まだ、まだ先があったじゃないか! 新しい外典も予告されていた、柚木やリリ奈、新巫女二人とのイベントもこれからが楽しみだった! だから本当に喪失感が強い。今でも、何かの間違いで、明日目を覚ましたら新たな季節イベの予告が来ているような気がしてならない。終わるなんて、信じられない。アニメも最終章が描かれていることが大きい、きっとこの先、新展開があったとしても、コンテンツとしてもうゆゆゆい程大きな流れになってはくれないだろうから。それが分かることが何より辛く苦しい。

 それでも……それでも私たちは、生きていかなければならない。明日に向けて歩み出さなければならない。だって、ゆゆゆこそがそれを教えてくれたからだ。日常を失っても、心の支えを失ったとしても、人は仲間と、自分の可能性を信じて生きていかなければならないから。それをずっと見てきた我々ファンが、絶望することはあってはならない。たとえ明日に希望が見えなくても、その先を信じるのが大事だと知っているから。

 だから最後の2か月だけは。未練がましくも遊び続けて思い出を作っていこう。そしてそこからまた未来に進むのだ。勿論、忘れる必要はない。ファンとはずっと思い出話を語り合い、コンテンツの新たな展開を期待し、できることなら自分でもゆゆゆに関わる何かを作り出せばいい。それら全部を巻き込みながら、下を向くことなく歩き出すのだ。

 

 最後に、「結城友奈は勇者である 花結いのきらめき」ゲームスタッフにあらためて感謝を。サービス終了のお知らせからですら、作品への愛が強く伝わってきました。あなたたちの作ってくれたゲームは、私の、きっと他の多くのファンの心にしっかりと残るものでした。このゲームを遊んでいた日々を私たちはずっと忘れません。その上で、もう少し先にはなりますが、引きずることはなく生きていくことでしょう。一ファンの言葉ではありますが、「結城友奈は勇者である」のコンテンツに皆様が関わってくれて本当に幸せでした。

 「結城友奈は勇者である」シリーズ全体の今後の更なる盛り上がりを願って終わりとします。……兎に角残り2か月、楽しもーぜみんな!!!!!!!!!!