趣味日記

成人男性が趣味について延々と語る場所。

感想その一「地雷付き」「セカサブ」

 どうも社会人です。

 前回の続きということで、紹介した作品の感想を書いておいていきます。
 作品解説ではないので、感想を読んで興味を持った方は是非読んでみてください。

 そして俺にお気に入りを紹介してください。

 順番は適当です、書きやすいものから。それではスタート!

 

異世界転移、地雷付き。
 作者:いつきみずほ
 おすすめ度☆☆☆☆★ 4

 Tier1。文句なしです。面白かった。今んとこまだ連載中ですけどね。
 書籍も4巻まで発売中の様子。こちらは未読です。買おうかな?

 さて最初から異色っちゃ異色の作品です。事故死したクラスメイト達を「邪神」を名乗る存在が異世界で生き返らせてくれるのですが、やさしいだけの神様じゃなく……まあ邪神だしね。チートなんてないファンタジー世界を、チートなしで頑張って生きていく話です。
 この作品の凄いところは、面白いところ。チート主人公の無双モノがたくさんあるご時世、反対に、チート無しの異世界モノってのもそれなりに増えた気がしますが、よく考えてみてください。めちゃ面白いチート無双モノからチート無双要素を抜いたらどうなるのかを……うん、なんも面白くないですね。つまりはそうなっちゃってる作品というのもまた、多いわけです。
 しかし『異世界転移、地雷付き。』は面白いんです。なんのチートもなしにただただ頑張って生きているだけなのに、ワクワクがある。先が気になって止まらなくなる! その一話一話が面白いだけの作品ならそれなりにあるんですが、読み続けられるというこれは初めての経験でした、寧ろ一気読みに向いてる気がする。現実的な部分と、物語としての面白さのバランスが絶妙だと思います。二週間ほどかけて一気読みしました。

 この面白さは主に「作者」と「キャラ」の二点から来ている……気がします。作者ってのは、センスや着眼点のこと。異世界モノのそこにツッコむんだーっていうポイントを指摘しつつ、独自の方法で対処していく。異世界がただの妄想でなく、本当にもう一つの現実に感じられるのは、作者様の凄さだと思いました。こんな異世界なら住んで……見たいと単純に思えないのが魅力ですね(褒めてる)。
 ちょっと思うのは、ところどころ「お約束」を壊してきてるような感じがするんですよね。同じような小説を何種類も読んでいるとなんとなく、この展開なら……こう来るな! みたいな流れが掴めてくるんですよ。で、それが王道的な、面白い展開なんです。けどそれを裏切りつつ、別の面白さを提示してくるという! ぞわっとしますね。

 んでキャラは、もう単純に、みんな好き。好き! 大事なことなので二回言ってしまいました。主人公パーティ全員を大好きになれる作品って実は多くないんですよね。

 阿吽系幼馴染冷静両思い型お茶目、ハルカ。ナオとのさりげない信頼感がそこらのラブコメとは一線を画してます。

 ムードメーカーの親友、トーヤ。陽気ながらバカではない、しっかりとした人間として作られたのを感じます……最近獣耳関連で暴走気味ですが。

 快活悪戯っ子コミュ強であるところのユキは周りをよく見ていて、5人が一体であるために不可欠な存在だと思いますし、ちょくちょく見せるナオへの好意に男性読者はイチコロでしょう。

 優しい&毒舌な知的武闘派なナツキの、たまに見せる年相応な部分が一人の少女としての魅力を引き立てています。ハルカやナオをからかう時の楽しそうな雰囲気と普段の冷静さがギャップとして最高なんですよ。

 しっかり者+ポンコツ要素に丁寧語お姉ちゃん獣耳なメアリ、天才型腹ペコ幼女獣耳なミーティアと、属性過多な妹分たちも可愛く最新話まで読んだ今では居なくてはならない存在になっています。

 なんか登場人物紹介というより友達の紹介みたいになってしまうこの感じが、作品の大きな魅力です。なろうの中では一番好きなキャラクター達……というか女性陣が理想的過ぎますよね、最高。
 そして主人公、ナオ! 彼がとてもよい。現実的でありながら少年らしさもある。しっかりした知識と考えがありながら、何でもできるスーパーヒーローじゃない。等身大の私たち――読者の目線でいてくれる主人公。彼の感性に合う人なら、絶対にはまり込める作品になっています。

 えーと、魅力が伝わったでしょうか? 感想を言葉にするのって難しいですね。

 取り敢えず、なろう初心者にもおすすめな作品なので、ぜひ読んでみてほしいです。……これから読んだら他の作品読めなくなりそうだけどな! (大好きなのにおすすめ度1つ落としてるのはこれが理由)

【追記】

 なんか作者ページの感想欄でナオの評価が低いんですよね。なので対抗する追記です……ナオがいいんですよこの作品は!

 読者目線では上記の通りなんですがね、ハルカ達の旦那(候補)としても素敵。女性陣がけっこうガンガンいこうぜ!タイプというか、自分達で動くのが苦でないタイプなのでこれぐらいが相性がいいと思うんです。

 多分、信用できて楽しく過ごせる相手ってだけなら、女性陣三人組だけでも完結できちゃうんですよね。てことは、そこにプラスアルファでいてほしい旦那っていうのは、友人二人のように一緒にどんどんチャレンジしていくタイプとは違うはず……そこにナオですよ! 普段は女性陣のことをはいはいって感じで一歩引いて見守りつつ、でも自分でもちゃんと思考を持ってるんですよね。だから欲しいところに反応できるし、大変な時には甘えさせてくれて、いざという時には即座に身体をはれる、男……絶妙なんだよ!!! ちょい器用貧乏気味な代わりに、全てが絶妙!!!

 ハルカにも、ナツキに対しても、ちょーーーどよく足りないものを埋めてあげられる関係というか。それでいてユキといれば今度はナオがメイン側になって、それはそれでよいといいますか。

 段々何言ってるか分かんなくなってきましたが、読めばこれがわかると思います。ほんと素敵な主人公です。

 

・元・世界1位のサブキャラ育成日記
 ~廃プレイヤー、異世界を攻略中!~
 作者:沢村治太郎(合成要素)
 おすすめ度☆☆☆★★ 3

 Tier1です。Web連載中、書籍は6巻までが発売中らしいです。
 この作品の魅力は作りこまれた世界観と主人公でしょう。メヴィウス・オンラインというゲームに人生をかけ、世界一位の座を守り続けたセブン。しかしある時、全てを注ぎ込んだアカウントを失ってしまいます。失意の余り自殺したセブンが目覚めたのは、メヴィウス・オンラインーーメヴィオンに酷似した異世界でした。作成したまま放置していたサブキャラ・セカンドの姿をとったセブンは、もう一度世界一位を獲りにメヴィオンに挑みます。

 設定はよくある「異世界をゲーム知識で無双してやるぜ!」といった感じですが、主人公が変わるだけでこんなに印象が変わるんだなと驚くことでしょう。セカンドはメヴィオンを楽しんでいます。しかし、楽しい=遊びではない。彼は本気で、全てをかけてメヴィオンを楽しんでいる。世界一位であることは、彼にとって当たり前でなければならない……とは、読んだ私の感想ですけれど。

 本気で何かに取り組むということはどんな分野であっても素晴らしいことです。しかし、残念ながら現実世界では、ゲームに本気であることが未だ素晴らしいことであると認められていません。認めている人もいるし、eスポーツによって社会的地位が上がりつつありますが、今のところ途上でしょう。セカンドは、幸いにも自分の本気が認められる世界に辿り着くことができた人間です。彼の姿は、未だ認められずとも自分の好きなことに人生をかけている全ての人に夢を与えるのではないでしょうか。……だからって自殺しちゃ駄目ですからね。そこはファンタジーですからね。

 世界観、という部分では、数あるスキルの設定を考えるのがまず私には無理です。どうやってるんですか? 本当に。それらを生かし、手に汗握る本気の戦いが描かれる「タイトル戦」は、毎日更新が待ち遠しくなるほどの魅力があります。オンゲーのプレイヤーってみんなあういうバトルを考えられるんですか?? だとしたら恐ろしいんですけど。沢村先生だけですよね? たくさん登場しつつも一人一人が個性豊かなキャラクター達が、セカンドに影響され「本気」になっていく様子というのもまた、アツいものが感じられます。

 最初のほう、仲間キャラというかぶっちゃけて言うとハーレムメンバーの育成やらなにやらが、よくあるゲーム異世界ものっぽいのでそういうのが苦手な人は合わないかもしれません。よっておすすめ度3ですが、タイトル戦に辿り着ければやめられなくなること間違いなしです。ぜひ読んでみてください。

 

 時間があるときに随時更新していきます。[最終更新2021/2/3]